SamVSTomの登場人物

サム

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サム・パーカー

生い立ち

パーカー家の三男として生まれる。
パーカー家は、地元では有名なアパレルショップを代々経営しており、四代目の父と一緒に、長男と次男もその道を選んだ。

裕福な家庭の三男坊ということもあり、サムは自由奔放な性格に育つ。
だからこそ、世話焼きな性格のトムとは馬が合った。
サムにとって、トムは同年代の数少ない理解者だった。

現在

地元でその名を知らぬ者はいない『サムズコーポレーション』の社長。
SNS『ユーボイス』で巨万の富を得て以来、色々な事業にも手を出している。

成功を収めてからというもの、たくさんの人々がサムのもとに集まってきたが、彼らの目的がサムズコーポレーションの影響力欲しさということをサムは理解していた。

だからこそ、サムは大人になるにつれ、友人の大切さを考えるようになった。
音信不通だったトムに連絡を取ろうと思ったのもそのためだ。

トム

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トム・バーガー

生い立ち

バーガー家の長男として生まれる。

父親と母親は、若い頃から2人の夢だったハンバーガーショップを経営していた。
はじめは街角の無名の飲食店だったが、時が経つにつれて繁盛していき、トムが小学生になる頃には6店舗を構えるまでに成長した。

サムと出会ったのは、地元の社交界の席だ。
社交的な性格ではなかったトムに対して、サムはグイグイと話しかけてきた。
逃げたい気持ちのほうが強かったが、父親から「パーカー家の子とは仲良くしておきなさい」と言われていたので逃げることはできなかった。

それからサムとは幾度となく顔を合わせるようになった。
苦手意識はなくなりつつあったが、『こういう人間にはなりたくない』というお手本だった。

現在

トムは、年間休日数60日で10時間労働の職場で働いていた。
大学を中退した人間でも、もっとマシな職場はあったかもしれない。
だが、たった1度の食中毒事件で廃業まで追い込まれた父が首を吊った今、もともと身体の弱かった母親を支えるためには、すぐに働ける仕事から選ぶしかなかった。

「トム、君はもうクビだ」
3年間、パワハラに対しても文句1つ言わなかったトムに対して、ブラック企業の社長はそう告げた。
理由は、外国人労働者を雇ったほうが、もっとたくさんの人材を安く雇用できるからだ。

徹夜明けの帰路をトボトボ歩きながらスマホを確認すると、母親のいる病院から10件以上の履歴が残っていた。
かけなおすと、母親が息を引き取ったことを聞かされた。
電話を切ったトムは、涙よりも先に鼻で笑っていた。
このとき、トムの中で何かが崩れ去った。

ほどなくして、トムのスマホが鳴った。
画面には、サムの名が表示されていた……。